今回は、東京工業大学の松田先生、東京経営短期大学の玉田先生のお話しを紹介します。
●情報モラル教育とは
ある程度の判断能力・知識がついてからコンピュータやインターネットに接してきた、私たち大人。それでも時々、インターネット上の噂に惑わされたり、間違った情報を信じてしまったり。
まして、生まれたときから情報化社会で雑多な情報に囲まれている子どもたちなら、なおのこと心配は多くなります。
ですから、インターネットをはじめとする情報機器を使用する際に自分やほかの人に悪い影響を与えることがなく、適切な行動が取れるように学習する必要があるのです。
これを総称して「情報モラル教育」といい、小学校では「生活」、中学校では「技術・家庭」、高校では「情報」という授業で取りあげられています。
松田先生・玉田先生のお二人は、このうち主に高校生を対象に、子どもたちが本質的に事柄を理解し、実践できるようにする指導法、「3種の知識による指導法」を開発・実践しています。
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玉田先生「情報モラル、というのは”日常モラル”と同じです。顔は見えなくても、インターネットの向こうにいるのは生身の人間なのですから。」
●情報モラル教育の現状
従来の情報モラル教育は、主に「事例重視」「心情重視」で行われてきました。
自分のホームページに好きなタレントの写真を載せることは著作権の侵害だからいけません、掲示板で自分や友達の名前・住んでいる場所などを書き込むのは危険、など多くの事例を見せることで、ルールを学習する方法が「事例重視」。
この方法で学習すると、教えてもらった場面では的確に行動できるようになります。
ですが初めて出会った場面では、どうしたらよいかわからない!という可能性があります。
ことがおきた後では「教えてもらわなかったもん!」ではすまないのですが・・・
また、「心情重視」は生徒たちが実際にインターネット上での問題を体験していく学習法です。
たとえば、先生がクラス用のホームページを作り、生徒たちに自由に参加させます。
最初のうちは順調でも、数週間・数ヶ月たつうちには、掲示板などに友達の悪口や、乱暴な言葉を書いてしまう子が出てきます。
そういったときに、先生はみなが実際に体験したことを題材に、不快だと思ったことややってはいけないと思ったことについて話し合わせます。生徒たちは自分がどんな思いをしたか、何が嫌だったかを考え、やってはいけないことを学習してゆくのです。
実際に心と体で覚えるこの方法は効果的ですが、どうしても時間がかかってしまいます。
限られた授業時間内でカリキュラムをこなさねばならない先生の負担もかなりのものです。
そこで、「事例重視」「心情重視」では不十分な点を補うのが「3種の知識指導法」です。
この指導法では、初めて出遭う場面でも適切に対応できるように、情報モラル判断に必要な「道徳的規範知識」と「情報技術の知識」、そして「合理的判断の知識」の3つの知識をもとにしています。
次回は、「3種の知識指導法」について詳しくお話しします。
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