引き続き、情報モラル教育についてのお話を紹介します。
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松田先生「自分が持っている情報技術を、うまく使っていくための見方・考え方や態度を学ぶことが重要です」
チェーンメールはいけないこと、だから変なメールは転送しない!
これはわかりやすい例です。情報モラル教育の成果のひとつといえるでしょう。
しかし自分が情報を発信する側におかれた場合にはどうすべきか、ということも学んでゆくのが情報教育です。
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松田先生は、玉田先生とともに高校生の「情報」の授業で使用するゲーム教材を開発なさいました。
この教材は、50分×4回の授業のなかで、「道徳的知識」「情報技術知識」「合理的判断の知識」それぞれについて、自分の理解度を把握しながら知識を高めていけるようになっています。
東工大付属高校で行われた別の授業を例にお話を伺いました。
松田先生「工業高校に入学してくる生徒は、少なからずコンピュータに興味があり、一般の生徒よりも知識が豊富です。」
つまり、一般的な生徒と同じ授業内容では、工業高校生にはそぐわないのです。
また、将来情報通信の分野に進む生徒も多く、単に「使う側」としてだけではなく「情報技術を提供する立場」での教育が必要だ、とも言います。
松田先生「さきほど、玉田先生が情報モラルは日常モラルと同じ、という話をしました。当然仕事上でも同じことで、情報技術を提供する立場の人間にモラルが欠けていては、みなさんに信用してもらうことはできません」
そこで取り入れられたのが、「CM制作ゲーム」。
プレイヤー(生徒)は、CM制作プロダクションの社員として「桃太郎印の桃の缶詰」のCMを「できるだけ安価に」「より効果的なCMを」作るというロールプレイングゲームです。
パソコンの画面上でCMで使う画像やイメージソング、効果音などを自由に選び、それぞれがどのような効果につながるのか、考えながら作り進めてゆきます。
このゲームのポイントは、生徒が「仕事でCMを作る」ということです。
どんなに面白いと思っても、倫理や道徳に反するようなCMでは放送できません。
また、アイドルやアーティストの曲を勝手に使ってしまっては、著作権侵害ですし、
かといって楽曲提供を正式に依頼するには予算が足りない・・・
生徒たちは、さまざまな制約とジレンマのなか「安価で効果的」なCMを作り上げます。
すると最後に画面には最終評価が表示されるのです。
・・・よくできていますよね!ここだけ聞くと、普通の家庭用のゲームでもおかしくないような気がしますし、このゲームで自主学習ができるのでは・・・?
松田先生「いえ、どんなによくできた体験教材があっても、先生による説明は不可欠です。」
授業では、まず始めにこれから行う演習についての説明をします(ブリーフィング)。
それから実際に教材を使って演習(ゲーミング)を行います。
演習のあと、いまやった演習が何を意図し、何を意味していたのか、解説と自己の振り返りを行います。これをディブリーフィングといいます。
松田先生「これから何をするのかあらかじめ理解し、また体験した後で自分を振り返ることで”学習した”といえるのです。これなしでは”学び”とはいえません。」
なるほど、確かにそうです。
自動車免許をお持ちの方は、初めのほうの授業で、路上運転シミュレーションを行ったことを思い出してみてください。
・・・道路上のいろいろなものをはね飛ばしたり、踏んづけたりしましたね?私はしました。
教習所の指導員さんに、自分の行動の問題点や気をつけるべき点を指摘されませんでしたか?私はたくさんされました。
こうしたブリーフィング~ゲーミング~ディブリーフィングの繰り返しによって運転のルールとマナーを身に付け、晴れて運転免許を手にしているのです。
・・・これが「学ぶ」ということだったのですね!単に路上で車を乗り回すだけでは免許が取れるはずがありません。
「指導」と「体験」の繰り返しが「学び」につながるのですね。
この3種の知識指導法で「学んだ」考え方をもとに日々行動してゆけば、問題を起こしたり巻き込まれたりすることはなくなるでしょう。
今日お話した学習教材については、こちらのサイトに詳しい内容が掲載されていますので、ぜひご覧下さい。
ここまでお話をうかがって、ふと気になることがありました。
学校では良いけど、家ではどうすればよいのだろう。自分の子どもに、学校の先生と同じように指導できるとは思えないのだけど・・・
次回、最後に「教える」ことについてのお話を伺います。
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